こんにちは、株式会社EXIDEAでUIUXデザイナーを務めるしょうごです。
このコンテンツではデザイナーはもちろん、デザイナー職以外の皆さんも明日から仕事で応用できそうな「行動心理学」、「認知心理学」に基づいた人の様々な心理現象や認知の法則をお伝えしていきます。
第5回目は「ピークエンドの法則」についてです。
これは93年にダニエルカーネマンという心理学、行動経済学者によって提唱された
“人間は、体験における感情が最も高ぶった時(ピーク)と、最後に抱いた印象(エンド)で、そのサービスを評価する傾向にある”
という法則です。
(よく勘違いされますが、「体験の終盤に感情のピークが来る。」「終わりよければすべて良し」という意味ではないです😉)
具体的な例を挙げます。
まずは、「映画」。
映画は主に、物語の「ピーク」であるクライマックスのシーンと、その後の余韻であり「エンド」のラストシーンにより全体の評価がなされることが多いそうです。
確かに、「クライマックスの演出まで良かったのに、ラストシーンが夢オチで、2時間返せという気持ちになった!」
というような評価はよく聞きますよね。
次に、「ディズニーランド」。
ディズニーランドのようなテーマパークでは「長時間並ぶ」事による「イライラ」が感情のピークになりますが、その後に「エンド」として体験するアトラクションによって得られる「とっても楽しい!」という感情が同時に処理され、「並ぶのはしんどかったけど楽しかった!」という総評になります。
もちろん、上述した「エンタメ」以外にもピークエンドの法則は当てはまります。
昨今のSaaSを見てみましょう。
多くのSaaSサービスでは、ユーザーの感情ピークは「複雑な操作によるイライラ」、「多すぎるタスクへのイライラ」等のストレスになります。
この「ピーク(イライラ)」をそのまま放置しているとサービスによる成果が出る前に解約されてしまうかもしれません。
そこで昨今、外資系のサービスを中心に
タスク完了時に、「よくがんばりました!」とユーザーを褒める演出を入れる
等のピークエンドコントロールの手法が取られるようになりました。
こうした工夫により、「タスクも大変だし、成果が出てるのかわからない…解約しょ…」というネガティブな体験を
「タスクは大変だけど、達成感はある!まだ続けてみよう!」
とポジティブな体験へ変えることができ、チャーン率(解約率)の低下を見込むことができます。
ま、早い話、ムチで叩いたらアメはあげようね😉ってこと。
みなさんも、いろんなサービスや体験に触れる際には「どんなピークエンドコントロールがなされているか?」を意識してみると楽しいかもしれません。
おわり。