こんにちは、株式会社EXIDEAでUIUXデザイナーを務めるしょうごです。
このコンテンツではデザイナーはもちろん、デザイナー職以外の皆さんも明日から仕事で応用できそうな「行動心理学」、「認知心理学」に基づいた人の様々な心理現象や認知の法則をお伝えしていきます。
第3回目は「美的ユーザビリティ効果」という法則についてです。
これは日立デザイン研究センターの研究員が証明した “見た目が美しいと感じるインターフェースは脳のポジティブな反応を引き出し、いかにも良く機能しているように見せるし、作業中の認知機能まで向上させる。”
という現象です。
「見た目の美しさ」と「生産性の高さ」は直結している、ということですね。
この効果を利用した研究結果の一例として、
"若者に、機能は同じだがシンプルな見た目の携帯を持たせたグループと、派手な見た目の携帯を持たせたグループではタスク完了までにかかる時間が前者のグループの方が明らかに短かった"
という報告があります。
この効果の大前提となる「見た目の美しさ」は、この結果から大半の人にとっては「シンプルであること」ということがわかります。
この効果をこれでもかというほどプロダクトに反映させている企業がありますね。
そう、Appleです。
Appleの製品はどれをとっても必要最低限の機能にフォーカスし、無駄を削ぎ落としたデザインをしています。
このシンプルを極めたデザインのプロダクトは、あらゆるクリエイターに愛され、使われ続けています。
「なんでApple製品が好きな人はAppleを使い続けるんだろう?」「なぜ私はAppleが好きなんだ?」
という問いへの答えが、この効果であると言っても過言ではないでしょう。
美的ユーザビリティ効果には、以下のようなポジティブな反応も期待できるとされています。
弊社が提供する「Emmatools」では、SEOの初心者・SaaSツールの初心者でも簡単にコンテンツの品質向上ができるプロダクトを目指して、できるだけシンプルなUIへのリニューアル開発に臨んでいます。
もちろん、開発はユーザー目線を前提にしていますが、シンプルな物作りは上記のリストのように、社内への良い影響もたくさんあります。
ただ、この効果を鵜呑みにして「すべてのプロダクトをシンプルな見た目に作るぜ!」と考えるのは危険です。
というのも、「何を美しいと感じるか?」はTPOによって変化するからです。
この法則はあくまでも「美しいと感じたときに生産性が上がる」というものなので、誰しもがiPhoneを使えば生産性が上がるというわけでは無いんですね。(おばあちゃんにはボタンに文字が書かれたおばあちゃん携帯を持たせましょう)
「誰がどういうシーンで使うプロダクトか?」の観察はどんな時にでも忘れずに行いたいですね。